言語聴覚士として感じる5つのやりがいと活躍が期待される場所とは
言語聴覚士とは、「話す」「聞く」「食べる」ことに困難を抱えた方に対し、専門的な視点からアドバイスやリハビリを行うスペシャリストです。
近年、医療機関や介護福祉施設のみならず、子どもの療育機関や学校教育など活躍の場面が広がり、ますます求められる仕事になっています。
この記事では、言語聴覚士を目指している方や、現在言語聴覚士としてお仕事をされている方に向けて、言語聴覚士のやりがいや今後の活躍の場についてご紹介します。
言語聴覚士の仕事内容
言語聴覚士は、言葉を使ったコミュニケーションに困難を感じる方や、摂食や飲み込みに関する問題を抱える方に対し、専門的な支援を行います。
言葉に関わるコミュニケーションの問題は、失語症や高次脳機能障害に加え、聴覚障害、言語発達の遅れ、声の異常や発音の不明瞭さなど多岐にわたります。これらは、小児から高齢者まで、幅広い年齢層で見られます。
言語聴覚士は、これらの問題に対して検査や評価を実施し、問題の原因やメカニズムを解明することで、適切な対処法を見つけ、必要に応じて訓練やアドバイスを提供します。
また、医師や看護師、理学療法士や作業療法士などの医療専門職と連携し、介護福祉士やケースワーカー、教員や心理士といった他職種とも協力しながら、チームとして支援を進めます。
言語聴覚士は、医療や福祉、介護、教育、保健の各分野で活動し、言葉や聞こえに問題を抱える方やそのご家族が、より充実した生活を送れるよう支援しています。
言語聴覚士のやりがい
言語聴覚士として働く中で、仕事を通して得られるやりがいを5つご紹介します。
言語聴覚士は、その専門性を発揮しながら、支援する方や他職種の方など、さまざまな人との直接コミュニケーションを重ねる仕事です。そのため、「人の変化」を間近で見られることにやりがいを感じることが多いでしょう。
1.担当した方の変化を間近で見ることができる
言語聴覚士は、人が生きるための土台となる「コミュニケーション」と「食べること」に困難を抱える方に対し、専門的知見から確かな対処を行い、日々の暮らしが豊かになるよう支援していきます。
言語聴覚士の継続的な支援を通じて、これまで発語に問題を抱えていた方が自分の気持ちを言葉で表せるようになったり、周囲とのコミュニケーションが円滑になったりする変化を間近で見られるのは、大きなやりがいと言えるでしょう。
2.学んだことがさらなる専門性の高い支援につながる
言語聴覚士は、自身のスキルアップが直接利用者さんの支援につながる点でもやりがいを感じられます。
言語聴覚士が支援を行う領域は言語、聴覚、発声、嚥下など多岐にわたります。これらさまざまな課題に対しての知識や、具体的な対処スキルは現場での実践に生かすことができます。学んだことが専門性の高い支援につながり、「人の役に立てた」という実感を伴うことで、より働くモチベーションにつながります。
また、支援する方の状況に応じてプログラムを考えたり、他職種との連携を図ったりすることは、問題解決力の向上にもつながります。
3.子どもの発達・成長に関わることができる
子どもの発達支援に関わる言語聴覚士は、言葉の遅れやコミュニケーションの特徴について専門的に評価し、その子が興味・関心を持つものを活用しながら言葉の育ちを促していきます。
言葉の理解や表現することに困難を抱える子どもに対して、ご家族とも密に連携し、その子にぴったりの支援を行います。
自身が関わり続けることで、その子から発せられる言葉の数が増えたり、お友達や周囲の大人と気持ちや考えをやりとりできるようになったりする様子を見ると、人の人生や成長に大きく貢献できた実感を得られるでしょう。
4.チームとして働く楽しさを感じられる
言語聴覚士は、医師や看護師、理学療法士や作業療法士などの医療専門職や、介護福祉士、ケースワーカー、教員や心理士といった他職種など、さまざまな専門家と連携して利用者さんを支えていきます。
専門家同士がそれぞれの強みを持ち寄り、チームで力を合わせて支援をすることで、より質の高いサービスの提供を行うことができます。
一つの目的を共有したチームの一員として働くことの醍醐味も感じられるでしょう。
ちなみに私たち「ことばの教室そらまめキッズ」の言語聴覚士は、保育園・幼稚園の保育士や地域の保健師など行政とも関わり、地域全体でお子さんの成長を支援しています。
5.社会から求められる専門スキルを発揮できる
小児から高齢者の支援まで、言語聴覚士のニーズは高まりを見せています。中でも、子どもたちの療育分野において、一人ひとりに合わせた丁寧な支援はますます求められています。
しかし、小児言語・認知分野で働く言語聴覚士は全体の約10%に留まっており、高いニーズに対して供給が追いついていない状況です。
理学療法士や作業療法士などの他の専門職に比べてまだ少なく、チーム医療においても専門性の高い重要な仕事であるため、医療機関や介護福祉施設だけでなく、子どもの療育機関などでの活躍の場が広がっています。
言語聴覚士の活躍の場
言語聴覚士の活躍の場は医療機関や介護福祉施設だけではありません。
近年では、ことばの教室(言語通級指導教室)や特別支援学校、訪問リハビリテーションや研究機関など、さまざまな場所で言語聴覚士のスキルは求められています。
ここでは主な勤務先である、医療機関、介護福祉施設、子どもの療育施設の特徴や求められる力をご紹介します。
1.医療機関
医療機関に勤める言語聴覚士は、総合病院や専門病院のリハビリテーション科をはじめ、耳鼻咽喉科、口腔外科、小児科など多様な診療科で働きます。様々な診療科や患者層に対応するための柔軟性と適応力が求められます。
2.介護福祉施設
介護福祉施設で働く言語聴覚士は、利用者さんが住み慣れた自宅に戻れるよう支援することが大きなやりがいです。介護福祉士、看護師、管理栄養士などと連携したり、施設内のイベントやレクリエーションに参加する機会もあり、利用者さんとのコミュニケーションを深めることができます。
3.子どもの療育施設・教育機関
これまで、医療機関や介護福祉施設で働いてきたという言語聴覚士の方でも、子どもの成長や発達をサポートしたいと子どもの療育機関を活躍の場として選ぶ方もいます。
発達障害や構音障害を持つ子どもたちの特性をよく理解し、一人ひとりに寄り添ったサポートのできるコミュニケーション能力が大切です。
子どもの成長を間近に感じながら、ご家族や保育士など他スタッフと協力することで多角的なサポートを行えることが大きな魅力です。
子どもの成長や発達をサポートしたい、高齢者の方が自分らしい生活を送れるよう支援したい、など自分が目指す活躍の場を選ぶことできるのも、言語聴覚士の魅力のひとつです。
「ことばの教室 そらまめキッズ」で言語聴覚士として働くということ
私たち「ことばの教室 そらまめキッズ」では、個別療育を通じて、子どもたちの言葉の発達を支援しています。療育分野における言語聴覚士の役割はとても重要です。
子どもたちがコミュニケーションに困難を感じる原因は、吃音や発達障害、自閉症などさまざまです。小児の段階から本質的な問題を突き止め、適切な発達の支援に取り組むことで、その子は生涯にわたって安心して社会生活を送ることができます。
子どもたちの言葉の発達に関して、科学的根拠を用いた支援をするためには、言語聴覚士の力が欠かせません。「そらまめキッズ」で働く言語聴覚士は、自身のスキルを「子どもたちやそのご家族の喜びをつくる」ために使っています。
子どもたち一人ひとりの特性に合わせた個別療育を行い、ご家族の方ともその子の「できた!」を共有しながら支援をするため、喜びの声を直接いただくことができます。
「そらまめキッズに出会えてよかった」
「そらまめキッズに通ってから子どもの笑顔が増えました」
そんなお声をいただくたびに、大きなやりがいを感じます。
小児言語・認知分野で働く言語聴覚士の数はまだまだ少ないのが現状です。しかし、未来を担う子どもたちの言葉の発達に直接関わり、その成長過程を間近で見守ることができるやりがいある仕事です。私たち「そらまめキッズ」のスタッフは、子どもの成長を支える喜びを感じる言語聴覚士が増えてほしいと思っています。
言語聴覚士としてあなたらしい場所で活躍しよう
言語聴覚士は、支援する方の生活に直接的に貢献できる専門職です。
日々の関わりで信頼関係を築き、「ありがとう」という言葉をかけてもらえるとてもやりがいのある仕事です。
高い専門性を発揮しながらチームで利用者さんを支えることのできる言語聴覚士として、どのような場で活躍したいか考えてみませんか?
「ことばの教室 そらまめキッズ」でも、共に働く言語聴覚士の方を募集しています。子どもたちの笑顔をつくることに興味のある方は、ぜひ採用情報をご覧ください。