保育士の労働時間の実態は?無理なくキャリアを続けるヒントもご紹介!
「保育士に興味があるけど労働時間はどのくらい?」「保育士としてキャリアを続けたいけれど、長時間労働がつらく、この先が不安…」など保育士の労働時間や働き方について悩んでいませんか?
この記事では、保育士の一般的な労働時間や、勤務形態などを説明しつつ、無理なく自分らしい働き方を実現してキャリアを続けるヒントをご紹介します。
ぜひご自身の将来働くイメージや、現在勤務している環境と照らし合わせながら読んでみてください!
保育士の労働時間の現状は?
保育士の労働時間は、主に8時間勤務が基本ですが、勤務する保育施設や勤務形態によって変わります。多くの保育園では7時から19時ごろまで園児を預かっており、早番・中番・遅番などのシフト制で働くことが一般的です。
保育士の月間平均残業時間は「保育士バンク!総研」の調べによると、園や個人の職責により異なりますが、0時間〜30時間以上と広がりがあるようです。事務仕事が勤務時間内に終わらずサービス残業となっている場合もあり、実際の労働時間は統計以上である可能性も指摘されています。
また、土曜出勤の保護者が増えているため日曜+平日どこかと祝日が一般的な休日となることもあります。パートなどの働き方を選択すれば、時短で働ける場合もあります。
保育士の労働時間のうち休憩はどれくらい?
労働基準法第34条第1項によると、8時間以上勤務する保育士は少なくとも1時間の休憩を確保することが定められています。しかし、実態はどうでしょうか?
保育士の仕事は、保育以外の業務も多く、子どもが午睡をしている間も、見守りや事務作業に対応しており休憩を取得できない、あるいは、少しお茶を飲むだけで休憩が終わるというケースもあるようです。園がしっかりと休憩を取れるように方針を立てている場合は、忙しい業務の中でも休憩時間を確保できるようなので、求人を探す場合はどのような方針で業務を進める園なのかリサーチすることが大切と言えそうです。
保育士の労働時間 私立と公立の違い
「保育士、労働時間のうち休憩はどれくらい?」の項目でも少し触れましたが、保育士の労働時間や働く環境は、園が私立か公立かでも異なります。
それぞれの労働環境における違いを解説していくとともに、未就学児をお預かりするという点で共通する幼稚園教諭との労働環境の違いも紹介していきます。
私立の場合、公立の場合
公立と私立の園での労働環境の違いは公務員か否かで異なります。
公立では、保育士は公務員のため、8時間45分、労働時間は7時間45分という場合が多いですが、私立の保育園は、拘束時間が9時間、労働時間は8時間が一般的です。
幼稚園教諭との勤務時間の違い
幼稚園では、園児たちは15時前後には降園するので、実働8時間のうち子どもと関わる時間は保育士に比べて短くなります。また、保育士は「シフト制」で勤務時間が流動的になりがちですが幼稚園教諭は「固定勤務」での働き方が主流であるため勤務時間は8時〜17時と決まっているのが一般的です。
行事がない限りは土日祝がお休みで、土曜出勤がある園では、職員が交代で出勤します。さらに、お休みの面での大きな違いは幼稚園の場合、「春休み・夏休み・冬休み」があるため、園児の長期休みに合わせて職員も休みの場合もあります。
このように、未就学児を預かるという点では幼稚園教諭と保育士は共通していますが、働き方は大きく異なります。
保育の現場 3つの勤務形態
公立と私立の違いは勤務形態にも現れます。公立の場合は保育士は公務員であるため、8時間45分の拘束時間で実働時間は7時間45分、休憩が1時間となるのが一般的です。一方、私立の場合は拘束時間が9時間で実働が8時間、休憩1時間というパターンでシフトの割り振りがあります。
シフトの割り振りや勤務時間は園にによって異なりますが、ここではシフト制を導入している私立の保育園で7時から19時まで子どもを預かる場合を例に見てみましょう。
早番
開園の、朝7時から16時までの実働8時間勤務です。開園準備や正規の開園時間より前に預かる早朝保育も担います。園児預かり時に体調や様子などを保護者から聞き、クラス担任が後から出勤してくる場合は、保護者からヒアリングした内容を間違いなく伝える役割もあります。
中番
朝8時から17時までの実働8時間勤務。園児が最も集まる時間帯で職員の数も最も多くなります。メインはクラスごとの活動ですが延長保育の園児がいる場合は状況を遅番の保育士に伝える必要があります。
遅番
10時から19時までの実働8時間勤務に加えて、延長保育も担当します。預かる人数が減るので年齢を分けずに保育する場合もあります。また、保護者に園児を引き渡す際は、クラス担任から引き継いだ連絡事項をもれなく伝える必要があります。
時間外保育・休日保育
「遅番」の項目では19時までとご紹介しましたが、延長保育として夜10時ごろまで預かる園や、早朝保育として朝7時ころから預かる場合、夜間保育として深夜または翌朝まで預かる場合などさまざまなパターンがあります。
このような保育にはシフトの交代で対応したり、非正規雇用の職員に頼る園もあります。
保育士の労働時間のうち残業について
保育士の残業時間はどれくらいあるのでしょうか?こちらでは一般的な残業時間の実態について説明するとともに、残業なし(少なめ)で勤務したい方への自分に合った働き方を見つけるヒントをご紹介します。
一般的な残業時間
保育士の月間平均残業時間は前章でもお伝えしたとおり、0時間〜30時間以上と広がりがあります。(園や個人の職責により差がある)統計に含まれていないサービス残業の発生など、統計と実際の残業時間は乖離があるようです。サービス残業の主な項目は、連絡帳や日誌の記入などの書類作成、教室内を飾るための装飾の作成、行事の準備、会議や研修など多岐にわたる保育以外の業務です。これらの業務は勤務時間内には終わらず、時間外労働や自宅に持ち帰り、サービス残業となっているようです。
残業なしの職場
長時間労働を避けるためには、保育士が定時退勤できるよう積極的に業務改善している保育園や、定時帰りを勧めている保育園を選ぶことが重要です。
園に通わせている知人に内情を聞いてみたり、イベントに参加することで求人情報では分からない、実際の様子を確認してみましょう。また、人材紹介会社に登録してキャリアアドバイザーに条件交渉してもらうなども有効な手段です。
また、非正規社員や短時間勤務を選ぶなど雇用形態を正職員から変えることで長時間労働を避ける方法もあります。非正規社員や時短勤務の場合、保育以外の事務作業や会議などの業務は免除される場合があります。また、定時退社しやすいため残業を回避しやすい働き方です。
ただし、時短勤務を希望できるのは、3歳未満の子どもを育てている場合や介護を必要とする家族がいる場合に限るので、これらの条件に当てはまらない場合は非正規など時短勤務以外の選択をする必要があります。
保育士の働き方のパターン4つ
勤務形態の違いによっても働き方や働く時間はさまざまです。
こちらでは、保育士のよくある4つの働き方のパターンについてご紹介します。
1.シフト制
出勤日や出勤時間が固定されていない働き方のことで、ほとんどの保育園で導入されている働き方です。
一口に「シフト制」と言っても、「固定シフト制」「自由シフト制」「完全シフト制」などさまざまな種類があります。
一般的に「シフト制」と呼ばれる働き方は予定を組みづらく、家庭との両立が難しい可能性がありますが、「固定シフト制」の場合、毎週同じ曜日に出勤できるケースもあるので、予定が立てやすく、家庭と両立したい人や生活のリズムを保ちたい人には向いている働き方です。求人を見る際は、どのシフト制が採用されているか確認することが大切です。
2.固定勤務
固定勤務は一般企業で多く導入されている一方で、保育園では珍しい働き方と言えます。家庭との両立はしやすいですが、導入されている園が少ないというデメリットがあります。派遣保育士だと叶う可能性もあるので、固定勤務で働きたい方は派遣での勤務を検討してみるのも良いかもしれません。
3.時短勤務
時短勤務を利用するには、条件を満たす必要があり、制度を利用できるか勤務先の園に確認する必要があります。自分の都合に合わせて勤務時間を選べるので家庭との両立がしやすく、子育てや介護が必要な家族がいる場合、無理せず家庭とキャリアを両立できる点が魅力です。
4.パート
1日4〜6時間勤務という人もいれば、8時間勤務の人もいるなど、働きやすい時間帯を選択することも可能で、条件を満たせば有給を取得できる可能性もあります。
家庭と仕事を両立したい方やワーク・ライフバランスをしっかりと保ちたい方には魅力的な働き方です。
保育士の休暇取得の実態は?
保育士の一般的なお休みのあり方や有給や産休などライフスタイルに合わせた休暇の取得についてご紹介します。
主な休日のパターン
年間休日は100日〜120日と園により差があります。土曜保育や、保護者が出席しやすい日曜日に行事を開催する場合もあり、相応の休みは確保されますが、確実に土日を定休日にすることは難しいのが現状です。
ただし、派遣やパートとして勤務する場合は土日完全休みという場合も多く、自身の思い描くライフスタイルに合った雇用形態を選ぶことが必要です。
有給休暇
有給休暇は、法律で定められていることもあり、正職員・派遣社員・パート問わず勤務時間に合わせた休暇が付与されます。しかし、代わりの保育士が見つからない場合や、経験年数が短い場合、行事などで忙しい場合などは取得の希望を申し出にくい場合もあるようです。
近年は、このような状況を改善するために職員を増やす園や、所属の職員が平等に有給を取得できるように年度はじめに計画を作成するなど、さまざまな取り組みを行う園も増えているようです。
産休育休
保育士の産休育休も以下の条件を満たせば、取得できることが多くあります。
・子どもが満1歳6ヶ月の誕生日以降も、引き続き雇用されることが見込まれる
ただし、詳しい諸条件は各園にご確認ください。
保育士の労働時間短縮に向けた取り組み
保育士の人手不足が問題視される中、保育士の重要性が見直され、労働環境の改善に向けた取り組みが行われています。
例えば、昇進の面では「主任保育士」や「園長」になるには20年以上の勤続年数が必要でしたが、厚生労働省によってキャリアアップ研修の創設や職務分野別リーダー・副主任保育士・専門リーダーを新たに設けるなどキャリアアップの敷居を低くして給与改善やモチベーションアップによる保育の質の向上を促しています。
また、2022年2月から、保育士・幼稚園教諭を対象に、収入を3%程度(月額9,000円)引き上げる措置がとられるなど、給与形態も見直されています。
さらに事務作業にICTを導入し、業務の効率化を図るなど、労働環境は改善されつつあります。
参考:保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ|厚生労働省
職種別平均賃金(役職者除く)(月収換算)|厚生労働省
ロボット・AI・ICT 等を活用した保育士の業務負担軽減・業務の再構築に関する調査研究 厚生労働省
「ことばの教室そらまめキッズ」の場合
私たち「ことばの教室そらまめキッズ」では、キャリア形成をしっかりサポートしながら仕事とプライベートのバランスが取りやすい工夫を行なっています。
社員の「成長」と「幸せ」にコミットするために、研修は全て勤務時間内に行い、未経験でも安心して実践に望めるようにしっかりとサポートします。勤務時間は6.5時間で残業も少なく、仕事とプライベートのバランスが取りやすい環境です。また、正社員やパート(半日勤務・不要内勤務)など自分に合った働き方ができます。
チームで働くため互いにフォローができ、無理なくお休みが取れるようになっています。希望休み取得率96%・子どもの急病などでの休暇取得率100%を実現しています。利用者さまの送迎や持ち帰り仕事はなく、勤務中はお子さま一人ひとりにしっかりと向き合うことができる環境です。
キャリアもプライベートも無理なくどちらも大切にできる働き方がそらまめキッズにはあります。
まとめ:自分に合った勤務形態を探そう
今回は、保育士の労働時間の実態や自分らしい働き方を実現するためのさまざまな働き方や労働環境をご紹介しました。
一般的に労働時間が長い、持ち帰りの残業が発生するなど、自分らしい働き方を実現するには厳しい労働環境ではないかと不安をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、働き方改善に力を入れている園を探したり、働きやすい雇用形態を選ぶことで無理なく保育士のキャリアを続ける道があります。
また、厚生労働省による保育士の労働環境の改善などによって、これからも働きやすくなることが期待されます。
「ことばの教室そらまめキッズ」は、子どもたちを笑顔で迎えるために、まずは自分自身のワークライフバランスを整えることが大切だと考え、プライベートと仕事を両立しながらスキルアップできる環境を整えています。ぜひ、気になった方は採用情報をご覧ください!